GRカローラとカローラスポーツ—二つの名前には「カローラ」という共通の語が含まれているが、実際には大きく異なる車である。それぞれのコンセプトが全く違うため、これらは別々のカテゴリに分類されるべきである。
GRカローラは、外見が一般的なカローラに似ているが、中身は完全にスポーツカーである。一方で、カローラスポーツは、カローラをベースにしつつ、スポーティーなハンドリングが楽しめるように様々なサスペンションやエアロパーツに工夫が施されている。
GRカローラとカローラスポーツのスペックの違い
まずはGRカローラとカローラスポーツの基本となるスペックの差をおさらいしよう。細かい数字は以下の通りである。
新車価格 | GRカローラ | カローラスポーツ |
新車価格 | 525.0〜715.0万円 | 220.0〜289.0万円 |
馬力 | 304馬力 | 116~170馬力 |
サイズ(全長 / 全幅 / 全高) | 4410 / 1480 / 1850 | 4375 / 1460~1490 / 1790 |
ホイールベース | 2640mm | 2640mm |
燃料 | ハイオク | レギュラー |
燃費(WLTCモード) | 12.4km/l | 17.2 〜 30.0km/l |
GRカローラは、スペシャルエディションであるモリゾーエディションは除き、基本的に単一グレード展開である。カローラスポーツをベースに開発されたこのGRカローラの驚く点は304馬力を発生させる1.6Lのターボエンジンだ。この馬力の値からもGRカローラが他のカローラと一線を画すモデルであることがわかる。
カローラスポーツは1.2Lのターボモデルから、ハイブリッドモデル、そして、マイナーチェンジ後には2.0Lのモデルまで登場している。このカローラスポーツはVWゴルフをベンチマークとしたCセグメントと呼ばれるカテゴリーに属する5ドアハッチバックで、カローラの名をつける国内モデルでは初めての3ナンバーサイズである。
ハイブリッドモデルはリッター30.0km/Lに到達する燃費性能の非常に高い一台だ。
カタログスペックをみると、GRカローラはカローラスポーツをベースに開発されたこともあり、大きくことなる点は燃費と馬力といったエンジンの種類に依存する点以外に大きな差が見られない。そこでより詳しく2台の違いをチェックしていきたい。
GRカローラのカタログスペックには304馬力と記載されていますが、実際に運転してみるとその数字以上の驚くべき性能が発揮されるのがこの車の特長である。その前に、基本的なスペックについておさらいしよう。馬力は304であり、トルクは40キロであ[…]
数字だけでは語れない2台の違い
GRカローラ:数字だけでは語れない真の力
スペック表を一見すると、GRカローラとカローラスポーツの間には、特に馬力などの数値に明らかな差がある。しかし、GRカローラの真の魅力は、カタログスペックの数字以上に広がっている。この高いスポーツ性能について、続けて詳しく説明していきたい。
GRカローラがどれほどスポーティーな車であるかを理解するためには、BMWのMシリーズやメルセデス・ベンツのAMGといった欧州車や、FF最速タイムの新型シビックtypeR(FL5)との比較が避けられない。実際、この車は一昔前の400馬力や500馬力の欧州車とサーキットで対決できるほどの高性能を持ち合わせているからだ。
GRカローラは多角的な視点から評価されるべき車であり、その高性能と多面性が独自の魅力となっていると言える。
関東地方にお住まいの方はこちら | |
番町半蔵門店 | |
有明店 | |
さいたまCARBIC店 |
|
近畿・中部地方にお住まいの方はこちら | |
おもしろレンタカー名古屋東店 |
カローラスポーツ:日常から長距離まで、快適な運転体験
カローラスポーツは、日常運転から長距離のドライブまでを考慮に入れた設計が行われている。過去のカローラと比較すると、高速道路での長距離運転においても乗り心地は大幅に向上している。
その手ごろな価格からは想像できないほどの安定したハンドリングとしっかりとしたボディにより、ドライバー及び同乗者は快適な運転体験が可能である。なんとリアサスペンションには高級車や本格スポーツカーに用いられるサスペンションの代名詞でもあるダブルウィッシュボーン式サスペンションが奢られているのだ。
筆者自身、過去に宮崎で3泊4日、500キロ程度をカローラスポーツで走破したが、その経験は極めて満足度の高いものであった。過去の低価格帯の車とは一線を画する乗り心地に加え、ハンドリングが非常に素直で扱いやすく運転が楽しかった。
ボディやサスペンションの品質も優れており、従来のカローラでは一般道での乗り心地は良好であっても、高速道路ではボディ剛性不足から不安感を覚えることが多かった。
しかし、このカローラスポーツではそのような不満は全く感じなかった。特に、リアサスペンションに用いられているダブルウィッシュボーンは、路面への追従性が高く、乗り心地とハンドリングのバランスが一級品であった。
長年、世界の5ハッチバックで常に最高レベルの評価を受けているGOLFIと肩を並べるほどの性能に性能に進化しているように感じた。
GRカローラとカローラスポーツ、それぞれどんなユーザーにあっているのか?
GRカローラとカローラスポーツは、それぞれ異なるユーザー層に魅力を提供している。
GRカローラは走行性能に一切の妥協を許さない人に、カローラスポーツは気持ちよく移動できる車がほしい人におすすめ
GRカローラは、長距離運転、日常使用、サーキットといった多様な用途に対応しており、一台で全てを解決するような車だ。例えるなら、欧州のAMGやMの1000万円を超えるようなハイパフォーマンス車達と似た方向性の車だ。
絶対的な馬力では劣るものの500万円台で、これだけトータルバランスに優れた車が500万円台で購入できるのはバーゲンプライスといえるだろう。
一方で、カローラスポーツも非常に完成度が高いです。ただし、その用途は日常のドライブやワインディングを気持ちよくドライブすることに主眼を置いています。
200万円台から購入可能と車両価格も抑えられているため、サーキットやワインディングでの絶対的なスピードは求めず、日常での使用や週末のドライブを気持ちよくスポーティーなハンドリングで運転したいという方に最適です。
価格と実用性を重視したなかで、車好きが求める軽快なハンドリングを実現するといった点でバランスが取れている車と言えます。
GRカローラはシビックtypeRが欲しい人の競合車種
つまり、GRカローラの最大のライバルはシビックタイプR。
シビックタイプRもまた、一台で全ての用途をこなせる高い実用性と、ニュルブルクリンクFF最速という圧倒的なパフォーマンスを持つ車として知られている。
しかし、GRカローラの一番の強みはその四駆性能です。四駆であることによって、コーナーでの安定性やアクセルの効きが優れている。これにより、ドライバーのテクニックに依存する部分が少なく、より「楽に速く走らせられる」印象がある。
シビックタイプRは前輪駆動(FF)であるため、高いテクニックが要求される場面もある。したがって、テクニックやスキルに自信があるドライバーにはシビックタイプRも良い選択となると言える。
車選びは普段の乗り方で選ぶべき
このように、GRカローラとカローラスポーツ、そしてライバル車種との比較からも、GRカローラとカローラスポーツは同じ「カローラ」の名を掲げながらも全く異なる車ということが伝わっただろうか。
GRカローラは車好きの願う「わがままを叶えてくれる一台」と言える。
日常使いで全く不便にならない実用性を持ちながらも、圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれる理想的だ。
カローラスポーツは、カローラという手頃な価格帯で手にできる実用性の優れた万能な一台でありながらも、優れたハンドリングと欧州車のような芯のある乗り心地を兼ね合わせることで、スポーティーなカーライフを手頃な車両価格とリッター30km/lにも到達する凄まじい低燃費性能で誰でも気兼ねなくドライブを楽しめる非常に魅力的な一台だ。
GRカローラとは、GRヤリスに積まれるWRCのホモロゲ用に開発されたエンジンをカローラに乗せてしまった一台。 304馬力ものパワーを発する強心臓を手に入れたカローラ、ライバルとなるのはGRヤリスやWRXであろうか。はたまた欧州の高級[…]
まとめ
ネーミングから得られる印象は似た2台だが、実際のコンセプトは似て非なる車であることがわかった。
どちらも所属する価格帯のなかで、とても高いパフォーマンスを発揮する二台だが、その性能がどれだけの価値を持つかは、各ユーザーのニーズと合致するかどうかで大きく変わるだろう。
普段の自分の車との接し方や、車に何を求めるか。この観点から満足一台を選択して欲しい。特に車選びは、数字やスペックだけでなく、五感に訴えかける”感性”が重要だ。
最終的な選択はあなた自身の感性に左右される。
試乗することで、自分自身が何を求めているのか、どの車が自分に合っているのかを確かめてから、長く愛せる車選びをして欲しい。
おもしろレンタカーでは、GRカローラやGRヤリス、新型シビックタイプR、さらにはR34GT R、RX7など、多くの憧れのスポーツカーが借りられます。
しかもなかには、チューニングされたモデルまでラインナップがあります。
家庭やお財布事情で購入は難しくても、憧れの車に一度は乗ってみたいという夢をこのサイトから叶えていただけたら嬉しいです。