2002年の生産終了から17年の時を経て復活したトヨタのスポーツカー「スープラ」。2019年に5代目の販売を開始したスープラは、BMWとの協業により誕生したモデルとなっているため、トヨタオリジナルではない。しかし、スープラの伝統を受け継ぐスポーツモデルとしてトヨタファンやスポーツカーファンを喜ばせている。今回は、5代目スープラのグレード別の特徴を解説する。
トヨタのスポーツカー「スープラ」とは?
トヨタ5代目スープラは、2019年5月に発売した2ドアクーペである。
そもそもスープラは、1978年の初代(日本名:セリカXX)発売以降、どの世代でも直列6気筒エンジンを搭載するFRスポーツカーとして国内外問わず多くのファンを魅了してきた歴史あるスポーツモデルだ。日本国内でスープラとして販売されたのは1986年(グローバルとして3代目)となる。
2019年に登場した5代目スープラでも、「直列6気筒エンジン」と「FR駆動」の2つを継承。加えて、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現しているのも特徴だ。
5代目スープラでは、直列6気筒エンジンを搭載するグレードのほかに、直列4気筒エンジンを搭載するグレードも用意されている。なお、駆動方式は搭載されるエンジンに関係なくFRとなっている。
スープラのグレードを選ぶときは、どのエンジンを搭載するモデルにするか悩むこともあるだろう。グレード選びに悩んだときは、各グレードの特徴を把握することが重要だ。自分自身に合った適切なグレードを選ぶためにも、ここからは各グレードの特徴を解説する。
スープラのグレード一覧
スープラにはどのようなグレードが用意されているのだろうか。まずはグレードと簡単な特徴を一覧で紹介する。
- RZ:直列6気筒ターボエンジンを搭載する(6MT/8AT)
- SZ-R:高出力直列4気筒ターボエンジンを搭載する(8AT)
- SZ:直列4気筒ターボエンジンを搭載する(8AT)
- GT4 EVO:レース専用車(AT)※一般道の走行不可
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スープラRZグレードの特徴
スープラRZは、直列6気筒ツインスクロールターボエンジンを搭載し、6MTまたは8ATから選ぶことができるグレードだ。スープラ伝統の直列6気筒エンジンを搭載するスープラらしいグレードとなっている。
また、スープラの最上級グレードとして上質な装備が標準装備されていることも特徴だ。主な装備は次の通りとなっている。
- 19インチ鍛造アルミホイール(艶消しダークメタリック塗装/センターオーナメント付)
- フロントブレーキ:brembo製17インチアルミ4ポッド対向キャリパー(車名ロゴ入りレッド塗装)+348mm径ディスクブレーキ
- リヤブレーキ:17インチフローティングキャリパー(レッド塗装)+345mm径ディスクブレーキ
- デュアルテールパイプ(直径100mm・ヘアライン仕上げ)
- アルカンターラ+本革 (イグニッションレッド)シート/メーカーオプション:本革(タン/ブラック)シート
- スポーツペダル(オルガン式スポーツアクセルペダル・スポーツブレーキペダル/MT車:スポーツクラッチペダル)
など
エンジンのスペックおよびパフォーマンスは次の通りだ。
- 直列6気筒ターボエンジン(ツインスクロールターボチャージャー)
- 排気量:2997cc
- 最高出力:285kW(387PS)/5,800rpm
- 最大トルク:500Nm(51.0kgm)/1,800〜5,000rpm
- 0-100km/h加速:6MT=4.4秒、8AT=4.1秒
価格は、6MT/8ATともに731万3,000円(税込・2024年1月時点)となっている。
スープラRZグレードは、上質な装備に加え、高い出力の直6エンジンを搭載している最上級グレードだ。そのため、エレガントな空間で優れたパフォーマンスを楽しむことができる。
スープラSZ-Rグレードの特徴
スープラSZ-Rは、出力が高められた直列4気筒ターボエンジンを搭載しているグレードだ。トランスミッションは8ATが組み合わされる。SZ-Rの主な装備は次の通りとなっている。
- 18インチアルミホイール(切削光輝+ブラック塗装/センターオーナメント付)
- ブレーキ(フロント・リヤ):17インチアルミフローティングキャリパー+330mm径ディスク
- デュアルテールパイプ(直径90mm・クロームメッキ仕上げ)
- アルカンターラ+本革シート
- オルガン式アクセルペダル/ブレーキペダル
など
最上級グレードのRZと比べるとホイールやブレーキなどに違いがある。また、SZ-Rは直列4気筒ターボエンジンが搭載される。エンジンのスペックやパフォーマンスを見てみよう。
- 直列4気筒ターボエンジン(ツインスクロールターボチャージャー)
- エンジン排気量:1998cc
- 最高出力:190kW(258PS)/5,000rpm
- 最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1,550~4,400rpm
- 0-100km/h加速:5.2秒
価格は、601万3,000円(税込・2024年1月時点)となっている。
中間グレードとなるSZ-Rは、直列4気筒ターボエンジンとなるものの、上級グレードのRZに近い装備となっている。よって、軽快で快適なスポーツドライビングを楽しめるグレードといえるだろう。
スープラSZグレードの特徴
スープラSZは、ベーシックなグレードに位置付けられているが、スポーツカーらしいスタイリングや走行性能を有していることが特徴だ。エンジンは直列4気筒ターボエンジンで、トランスミッションは8ATとなる。また、中間グレードに位置しているSZ-Rとはエンジンの出力や装備が異なっている。
SZとSZ-Rの装備の主な違いは以下の通りだ。
- 17インチアルミホイール
- ファブリック(ブラック)シート
- インテリア:オーナメントパネル(ダークシルバー塗装)
など
エンジンのスペックおよびパフォーマンスは次の通りである。
- 直列4気筒ターボエンジン(ツインスクロールターボチャージャー)
- 総排気量:1998cc
- 最高出力:145kW(197PS)/4,500rpm
- 最大トルク:320Nm(32.7kgm)/1,450~4,200rpm
- 0-100km/h加速:6.5秒
SZ-RとSZを比べると、SZの方が出力が61PS、トルクが80Nm低くなる。エンジンの出力およびトルクの違いによって、0-100km/h加速は1.3秒の差がある。
モータースポーツの世界では0.1秒の差は大きいものの、日常生活ではさほど大きな影響はない。よって、SZでも十分にスポーツカーらしい走りを楽しめるだろう。
価格は、499万5,000円(税込・2024年1月時点)。SZ-Rとの差額は101万8,000円となる。この差額をどのように考えるかは人によって異なるが、スポーティな走りを楽しみたいというのであればSZでも問題はないだろう。
スープラGT4 EVOの特徴
スープラには、一般道の走行ができる「RZ」「SZ-R」「SZ」の他に、レース専用車として「GT4 EVO」も用意されている。GT4 EVOは、レーシングチームやドライバーからのフィードバックを反映しブレーキ、ハンドリング、エンジン性能を進化させていることが特徴だ。エンジンは直列6気筒ターボで、最高出力は330kW(450PS)、最大トルクは660Nmとなっている。なお、GT4 EVOは競技用車両であるため一般道の走行はできない。
ただ、GT4 EVOの生産100台を記念した特別仕様車「Plasma Orange 100 Edition」は一般道の走行が可能だ。RZ“Plasma Orange 100 Edition”は、RZグレードのオートマチックトランスミッション車をベースに、ソリッドな質感と燃えるような鮮やかな専用外板色「Plasma Orange」を採用し、スープラの純粋なスポーティさを表現したモデルとなっている。
特別仕様車の主な装備は次の通りとなっている。
【“Plasma Orange 100 Edition”主な特別装備】
- 特別設定色 プラズマオレンジ 外板色
- アルカンターラ本革(ブラック)シート
- マットブラック塗装 鍛造アルミホイール
- ブラック塗装ブレーキキャリパー(フロント:GRロゴ入り)
- “Plasma Orange 100 Edition”カーボンオーナメント(助手席前方に装飾)
※100台限定販売
※販売価格:760万円(税込・2023年4月の発売発表時の価格)
グレード別の販売実績と人気の理由
トヨタ スープラの販売は、予約開始時点から好調だった。2019年3月上旬から開始された注文予約では、RZグレードが予約注文開始後すぐに初年度に予定していた注文予約台数に達した。このことからも、スープラ=直6 FRというイメージが強いことがうかがえる。
また、スープラを手に入れるならスポーツカーらしい走りを存分に楽しみたいというユーザーも多い。よって、RZの次に人気が高いのは、高出力直列4気筒ターボエンジンを搭載するSZ-Rだろう。つまり、スープラの人気は、カタログの上級グレード「RZ」、中間グレード「SZ-R」、エントリーグレード「SZ」の順になっているといえる。
グレード選びのポイント
スープラを購入するときは、グレード選びが重要だ。よって、スープラの伝統を受け継ぐスポーツカーらしいモデルを求めるのであれば、直列6気筒ターボエンジンを搭載するRZグレードがいいだろう。
スポーツカーらしいドライビングと軽快感を両立させたスープラを求めているのであれば高出力な直列4気筒ターボエンジンを搭載するSZ-Rがおすすめだ。スポーティな走りとコストパフォーマンスを両立させたいのであれば、直列4気筒ターボエンジンを搭載するSZがいいだろう。
また、グレードごとに異なる装備にも注目し、より満足度が高いグレードを選ぶと後悔することがないだろう。ただし、グレードが上がると、価格も高くなるため、予算や収支のバランスを見極めながら適切なグレードを選ぶといった視点も忘れることがないよう注意しなければならない。