新型スイスポこと、ZC33S型スイフトスポーツのカタログ馬力は140馬力だ。しかし、この数字だけではこの車の実力を語ることはできない。なぜなら、スイスポはその馬力以上の速さと加速性能を持っているからだ。
スイスポの性能を実際に確かめるために、筑波山のワインディングで試乗した。その結果から、この車がなぜ「140馬力以上に速い」と言えるのか、この記事ではその要因について詳しくお伝えしたい。
これらのポイントを通じて、スイスポが持つ「数字以上の速さ」について理解を深めていただければと思っている。実際のドライビングでその高い加速性能を実感することで、スイスポの魅力がさらに高まると思う。
なぜスイスポは速いのか
スイスポの加速性能は、ピークパワーではなく、広いトルクバンドによって支えられている。具体的には、この車は1.4リッターのターボエンジンを搭載しているにもかかわらず、23キロという、2LNAエンジンで一般的な20キロ以上のトルクを持っている。これは、1世代前のトヨタ86(ZN6)のピークトルクよりも大きい数値なのだ。
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トルクと馬力の関係
馬力とトルクは、多くの人にとって難解な概念とされることが多い。簡単に言えば、馬力が車の最高速度を決定するのに対し、トルクが車の加速性能を決定する。この点だけで比較すると、スイスポはZN6以上の加速性能を持っていると言えるのだ。
(あくまでギヤ比や車重などを除き簡略化して考えた場合)
低回転からの力強い加速
またスイスポの利点はピークトルクを発生できる領域が広いことにある。
近年のターボ車は技術進化がすごく、一昔のターボエンジンとは異なり、非常に低い回転数から最大トルクを発生させることができるのだ。
これによりスイスポは2500-3500rpmとかなり低い回転数でピークトルクを発生させる。
ドライバーは幅広い回転数域で最大の加速性能を発揮できるのだ。これは、NAエンジンのZN6とは大きく異なり、ピークトルクを発生させる回転数が低いため、エンジンの回転数を常に高回転維持するドライビングテクニックを要さずとも簡単に素早い加速を実現できるのだ。この低回転からのトルクバンドが、スイスポが「とても速い」と評価している一因である。
逆にいうと、車重と馬力の関係では近しいシビックtypeR(EK9)やインテグラtypeR(DC2.DC5)とは、ドライバーの得られるフィーリングは全く異なる。
HONDAの作り出したVTECエンジンは高回転域でパワーを発揮させる。そのためドライバーには独特の高揚感あるフィーリングを実現しているのだ。
このあたりは、同じような車重と馬力であっても、ドライバーに届く感覚が全く異なる内燃機関車独特の奥深い要素といえるだろう。
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ポテンシャルを引き出しやすいターボエンジン
速さを求める上でスイスポにはもう1つの魅力がある。それは、チューニングの余地が非常に広いという点だ。この車はターボエンジンを搭載しているため、手頃にパワーアップがひやすく、チューニングでの伸びしろが非常に大きいのだ。
パワーとトルクの向上
純正状態では約140馬力を発揮するスイスポだが、チューニングを施すことで、200馬力に迫るようなパワーを手に入れることができる。例えば、マフラー交換やECUの書き換えなど、比較的手軽なチューニングだけでも、160馬力程度までパワーアップすることが可能だ。
また、ポン付けのタービン交換キットでも190馬力を発生することができるから、コスパ最強のチューニングメニューといえるだろう。
さらに上を狙うユーザーであれば、お金を掛けることで200馬力という強心臓を手に入れる事ができるのだ。
このようなパワーは、多くの車好きの憧れであるEK9型やEG6型のシビックといったモデルに匹敵するものだ。また、フィーリングではシビックのエンジンにスイスポのエンジンは遠く及ばないが、トルクに関してはシビックのそれを大きく上回るのだ。
ここまでの馬力向上はNAエンジン搭載の先代のZC32Sでは望めなかった値である。
まさに、スイスポが馬力を求める車好きにとって、安くてハイパワーが望めるチューニングカーとして、とても良い素材であることがわかるのだ。
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軽さという最終兵器
スイスポにはもう一つ大きな武器がある。それは軽さだ。
サーキットを速く走ろう、ワインディングを気持ちよく駆け抜けたい。そうおもった際にとても大切なのが軽さだ。
同じ140馬力でも、1tの車体を運ぶのと、1.5tの車体を運ぶのでは、加速時間は大きく変わる。
その点でスイスポはMTの車重が約970キロ、重たいATでも990キロと非常に軽いのが大きな魅力だ。
この馬力と車重の関係はパワーウェイトレシオとも呼ばれ、スポーツカーの堺はパワーウェイトレシが7を切るかどうかという定説もあるほどだ。
スイスポのパワーウェイトレシオは「6.93」だ。この値だけみると、ギリギリ7を切ってる程度に感じるが、ここに今まで述べた広くて太いトルクとチューニングによるパワーアップの余地が残されているのが、大きな魅力なのだ。
馬力 | 車重 | パワーウェイトレシオ | |
ZC33S | 140 | 970 | 6.93 |
ND | 130 | 990 | 7.62 |
ZN6 | 200 | 1210 | 6.05 |
ZN8 | 235 | 1260 | 5.36 |
S660 | 64 | 830 | 12.97 |
また馬力を気にするような走りが好きなユーザーにとって軽いことに寄る利点は大きい。
なぜなら、車重が軽いとコーナリング中に発生する慣性力が減りコーナリングスピードが上がる。さらに、タイヤやブレーキにかかる負担も減るために、これらのパーツの消耗が抑えられて消耗が減るのだ。
そのため、走るのが好きなユーザーには、経済的なメリットまで存在するのだ。
まとめ
このようにスイスポは大幅にパワーアップが図れるマシンだ。そのため、これからサーキット走行を楽しみたいユーザーには強くオススメできる一台と言えるだろう。
EK9やFD2といったライトウェイトスポーツカーが軒並み高騰してしまい、さらに部品不足が発生している今、気軽に沢山走りたいユーザーには、うってつけの一台と言えるだろう。
スイスポは、そのカタログスペック以上に現れる馬力以上のパフォーマンスが魅力的な一台です。
特に、車の軽さとトルクの厚みが組み合わさり、140馬力以上のパワーを感じさせてくれます。
さらに、ターボエンジンの特性を活かして、コストパフォーマンスに優れたチューニングの可能性も広がっているため、運転が大好きな車好きの方々には特におすすめの車と言えます。
カタログや試乗レビューだけではわからない、実際に乗ってみることで感じる車のフィーリングや運転の楽しさや、自分との相性を確かめることをおすすめします。
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