日産を代表するスポーツカーとして現在でも高い人気を誇るR34スカイラインGT-R。クルマ好きを虜にするR34 GT-Rには、どのような魅力があるのだろうか。本記事では、R34 GT-Rの概要、スペック、バリエーション、ドライビングフィールなどを紹介する。スカイラインを名乗るGT-Rとして最後の世代となったR34 GT-Rを検討している方はぜひ参考にしていただきたい。
R34スカイラインGT-Rとは?
R34スカイラインGT-Rは、1999年に販売を開始したR34スカイラインの高性能スポーツモデルである。
そもそも「スカイラインGT-R」は、“究極のドライビングプレジャー”を追求し、走りの楽しさの世界基準を提案し続けてきたモデルだ。
1989年に発売されたR32 GT-Rでは、16年ぶりに復活したGT-Rとしてクルマ好きを魅了した。このR32 GT-Rに搭載された直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」は、今回紹介しているR34 GT-Rにも搭載されている。
R32 GT-Rから変わらなかったのはエンジンだけではない。GT-Rのコンセプト“究極のドライビングプレジャー”も変わっていない。R34 GT-Rでは、GT-Rのコンセプトである“究極のドライビングプレジャー”を実現するために、先進技術を採用し、運動性能やボディ剛性を向上させ、ドライバーがGT-Rの優れた運動性能を安心して引き出せるようになっている。
運動性能においては、「走る、曲がる、止まる」という基本性能を向上させた。また、6速トランスミッション(MT)の採用により動力性能を向上させ、高性能18インチタイヤの採用などによって操縦安定性も良くなっている。さらに、冷却システムが改良されたブレーキやレース活動で蓄積したノウハウを活用した空力性能などにより、走行性能をより一層高めている。
各性能の向上に合わせてボディ剛性を強化し、GT-Rのポテンシャルを最大限に引き出せるようにしているのもR34 GT-Rの特徴だ。ボディサイズは前型のR33 GT-Rから縮小され、全長が75mm短くなり、ホイールベースは55mm短縮された。ボディサイズやホイールベースの縮小によってR33 GT-Rよりドライバーズカーとしての性格が強くなった。
ボディサイズやホイールベース長の見直し、ボディ剛性の強化、モータースポーツの現場で培った技術を取り入れたR34 GT-Rは、名実ともにスカイラインGT-Rの集大成といえるモデルになっている。このようなことから、今現在でもR34 GT-Rは人気が高く、歴史に残る名車と言われているのだ。
R34スカイラインGT-Rのグレードやスペック
R34 GT-R発売当初(1999年)設定されていたのは、スタンダードグレードの「GT-R」、専用エアロパーツ・専用チューニングされたサスペンション・アクティブLSDなどによりレーシーなエクステリアとスポーツ性能を手に入れた仕様の「V-スペック」、エンジンの冷却性能などを向上させるとともに軽量化のために一部の装備を簡略化したスーパー耐久シリーズ参戦用のベース車「GT-R V-スペックN1」をラインナップしていた。
2000年8月のマイナーチェンジのタイミングで登場した「V-スペックII」では、量産車として初となるNACAダクト(National Advisory Committee for Aeronautics)付きカーボン製エンジンフードやアルミ製ペダルを採用し、内装・外装ともにスパルタンな雰囲気を演出している。また、V-spec N1のみに採用されていた大径リヤブレーキをGT-R全車に採用し、ブレーキ性能を向上させた。
2001年5月には、「大人の感性を刺激し、大人のこだわりをも満足させる、もうひとつのGT-R」をコンセプトとした新しい走りと高質なテイストの「M-スペック」を追加。洗練された走行性能や乗り心地、質感の高いインテリアが特徴となっており、ひと味違うGT-Rに仕上がっている。
2002年1月には、R34スカイラインGT-R最後の限定車「M-スペック Nur」と「V-スペックII Nur」が発表・発売された。同時にR34 GT-Rの生産終了が発表され、限定車は即日完売となった。
R34 GT-R最後の限定車「Nur」シリーズのエンジンは、ニュルブルクリンク24時間耐久レースや国内のスーパー耐久レースなどのベースエンジンに使われているN1仕様エンジンをベースとしている。エンジンの中心部品であるピストンやコンロッドの重量バランスを均一化し、高精度なバランス品とすることで、高回転域における爽快な回転フィーリングに磨きをかけている。限定車専用のエンジンには、ゴールドシリンダーヘッドカバーを採用し、特別仕様のエンジンであることが一目でわかるようになっている。
また、限定車特別装備として、フルスケール300km/hの専用スピードメーター、立体成形の専用グレードネームエンブレムなどを採用し、特別塗装色ミレニアムジェイドメタリックを限定車専用色として追加設定した。
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R34スカイラインGT-Rのエンジン「RB26DETT」の特徴
エンジンは、R32 GT-Rから搭載され、定評がある直列6気筒ツインターボエンジンの「RB26DETT」を搭載している。
R34 GT-Rでは、前型R33 GT-Rに搭載されていたRB26DETTエンジンをリファインしているのが特徴だ。R34 GT-RのRB26DETTエンジンは、カムシャフトを変更してバルブタイミングを改良し、当時の国産車として最高のトルク(15.6kgm/L)を達成した。また、ツインボールベアリングセラミックターボの採用により、アクセルに対して瞬時に反応する鋭いレスポンスを実現している。
R34スカイラインGT-Rの主要スペック(2000年式のスペック)
- 型式:BNR34型
- サイズ:全長4,600mm×全幅1,785mm×全高1,360mm
- ホイールベース:2,665mm
- 駆動方式:4WD(ATTESA E-TS)
- トレッド(前/後):1,480/1,490mm
- 車両重量:1,560kg
- エンジン:RB26DETT型(直列6気筒4バルブDOHCツインターボインタークーラー付)
- エンジン排気量:2568cc
- 最高出力:206kW(280ps)/6,800rpm
- 最大トルク:392Nm(40.0kgm)/4,400rpm
- サスペンション(前/後):マルチリンク/マルチリンク
- ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
- タイヤ:245/40ZR18
特徴的な機能や装備
ドライバーの感覚に忠実な操舵応答性と高い安定性を実現するヨーレイトフィードバック電動SUPER HICASに、ジェット戦闘機などにも用いられるモデルフォロイング制御方式を採用している。
モデルフォロイング制御方式とは、車速やステアリング操作量をもとに車両状態を決定し、理想的な車両状態になるよう後輪舵角を決定する制御方式である。より高精度でキメ細かな制御を行うことで、ライントレース性などを向上させている。
走行性能
R34 GT-Rは、スポーツカーらしい力強い加速感や速さを楽しめるだけでなく、安定感や安心感を感じられることも特徴となっている。
ブラッシュアップされたエンジン、強化されたボディ剛性、短縮された全長やホイールベースなどにより、「スカイラインGT-R」の集大成と呼ぶにふさわしいスポーツドライビングを存分に楽しむことができる。
直線では、ツインターボエンジンの力強いパワーであっという間に加速していく。コーナリングでは、荷重が外側に移動するものの、4つのタイヤがしっかりと路面に接地しているため不安感はない。また、ステアリングの操作に対して素直に反応してノーズが向きを変えるため、コーナーを駆け抜けていくのも気持ちがいい。
ブレーキをかけたときは、四輪のブレーキがしっかり効き、挙動が安定している。加えて、4つのタイヤが路面をしっかりとグリップしているため、滑り出してしまいそうになることがほとんどない。つまり、限界領域が非常に高いということだ。
R34 GT-Rは、高性能で安心感があるグランドツーリングカーと呼べるモデルとなっている。
R34 GT-Rの新車・中古車価格について
R34 GT-Rの新車販売価格は、2000年のマイナーチェンジ時点で504万8,000円〜となっていた。R34スカイライン(セダンやクーペ)より300万円ほど高かったこともあり、手が届かなかった人も多いだろう。
しかし、2024年4月時点における中古車を見てみると、2,000万円を超える車両が多数あるだけでなく、「応談」となっている車両も多い。新車当時でも手が届きにくかったR34 GT-Rは、より手が届きにくいモデルになっているのだ。
R34 GT-Rはどんな人におすすめ?
R34 GT-Rは、直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」を搭載する日産の高性能スポーツカーが欲しい人やスカイラインGT-Rファンにおすすめのモデルだ。
また、モータースポーツの現場で培った技術を市販車にフィードバックしたスポーツドライビングを楽しみたい人にも最適なモデルとなっている。
もし、R34 GT-Rが欲しいと考えているものの、実際の走行性能や運転感覚がどのような感じなのか知りたいときは、一度レンタカーを借りて乗ってみることをおすすめする。実際に乗って「自分に合っているクルマだ!」と思ったら、購入に向けて手続きを進めると後悔することのない良い買い物となるだろう。
まとめ
日産の歴史に残る名車として今でも高い人気を誇り、高値で取引されているR34 GT-R。乗用車「スカイライン」の派生モデルとして位置づけられているが、中身はモータースポーツの経験や技術が惜しみなく投入された本格的なスポーツモデルとなっている。日産のスポーツカーといえば「GT-R」というイメージをより印象付けたモデルの1つがR34 GT-Rといえるだろう。