フェアレディZ(RZ34)の魅力を徹底解説(後編)

フェアレディZ(RZ34)の後編では、乗り心地やエンジンの出力特性、そして運転支援機能について詳しく解説していく。405psを誇る3Lツインターボエンジンがどのようなフィーリングを持ち、どれほど快適な乗り心地を提供するのか、またこの価格帯での運転支援機能の装備状況についても掘り下げていく。さらに、新車価格や中古車市場の動向にも触れ、フェアレディZがなぜ現在も高い人気を誇っているのか、その理由を徹底的に分析する。後編を通じて、この車の真の魅力に迫っていく。

フェアレディZ(RZ34)の乗り心地

エンジンの出力特性

3Lのツインターボで405psと聞くと、ひと昔前ならハイプレッシャーで尖った特性を想像するが、実際に乗ってアクセルを踏んでみると、そういった荒々しい感覚はほとんど感じられない。

と言ってマイルドというわけではなく、踏めばその分だけ太いトルクで車体をグイグイ前に押し出してくれる。

シンプルに言えば扱いやすい大パワーという感じだ。

排気音もかなり抑えられているので、横に誰かを乗せていても不満が出ることはないと思われる。

乗り心地、足まわりの特性

乗り心地についてもエンジン特性と同様に抑えが効いた感触にまとめられている。

18/19インチという大径ホイール&タイヤの重量でもバタ付かせずダンピングが効いていて、やや重くなった車重もしっかり支えつつ、確実な接地性を確保している。

これは大径化された単筒式ダンパーの効果によるものだろう。

操縦支援機能

運転支援システムは、この価格帯の現行モデルとしては意外と最低限の装備に留まっている。アダプティブクルーズコントロールはあるものの、操舵支援をしてくれるレーンキープアシストやハンズフリー運転支援機能などは装備していない。

ESCなど足まわり&駆動系の制御も最低限の装備で、クルマ任せにしていれば安定で安心という今の風潮からはやや外れるが、それがかえってスポーツ走行の楽しさを味わう一助となっている面もあり、ある意味では伝統のZらしい走りが味わえると言っても過言ではないだろう。

フェアレディZがなかなか買えない理由は?

発売当初はコロナ禍による半導体不足などの影響を受け供給が少なく、13年ぶりのモデルチェンジという注目度の高さと相まってバックオーダーが嵩み、抽選販売のプロトスペックは中古車の価格が販売価格の倍近くで取引されるなどフィーバーの相を見せた。

その流れに拍車を掛けたのが2022年7月の受注停止だ。

栃木工場のトラブルや、メイン市場の北米を優先させたせいなどいろいろな憶測が飛んでいたが、実際のところ原因は不明。

2023年の末頃から徐々に供給体制の復活が見られ、今でも新規の受注は停止状態のようだが、納車の目安は7ヶ月と表示されている。

フェアレディZ(RZ34)の新車価格、中古車価格

新車の価格

RZ34フェアレディZの新車価格は以下の通り。

ベースグレード(6MT)539.88万円
ベースグレード(9M-ATx)539.88万円
バージョンS(6MT)624.58万円
バージョンT(9M-ATx)585.86万円
バージョンST(6MT)665.72万円
バージョンST(9M-ATx)665.72万円
NISMO(9M-ATx)920.04万円

RZ34フェアレディZではミッションが6速MTと9速AT(9M-ATx)の2つから選べるが、価格差はなく同価格で統一されている。

最安のベースグレードと性能と装備が充実したバージョンSTの価格差は約125万円。

内装の充実を求めるならバージョンT、走りの装備優先ならバージョンS、どちらも欠かせないという場合はフル装備のバージョンSTという選択になる。

中古車の価格

一時期は抽選販売のプロトスペックが新車価格の倍で取引されるなど、過熱を見せていたが、現在では供給が進んだおかげか中古車の相場も落ち着きを見せている

相場をグレードごとに見てみよう。

プロトスペックの価格高騰が落ち着いて800万円台に下がってきた今、1000万円を上回っているのはNISMOのみという状況。

最安はベースグレードかと思いきや、ベースグレードの出品はほとんど無く、市場の中心を占めるのはバージョンSTとなっている。

価格は650〜750万円といったところ。まだまだ供給が足りていない実状を受けて新車価格を上回る個体も少なくないという状況で、お買い得にRZ34を入手できるようになるのはまだ先になりそうだ。

新車の受注がまだ完全に戻りきっていない今、中古車のかかくもまだまだ高い水準を維持していて、RZ34フェアレディZはけっして買いやすいという状況ではない。

そんな状況のなかで、購入の前にいちど実車に乗ってその魅力を確認しておきたいという人も少なくないだろう。

そんな人はぜひおもしろレンタカーを訪れて、RZ34フェアレディZを思うさま乗り回し、実際の走りを堪能してみて欲しい。