本記事では、カタログスペックには現れないロードスターRFの魅力について伝えていきたい。
具体的には、ロードスターRFを運転したときにドライバーが得られるフィーリングや運転する楽しさは、オープントップのロードスターとどのように異なるのか。ロードスターRFと幌のロードスターモデルを比較した際のメリット、デメリットについても触れながら比較していきたい。
ロードスターRFのスペック紹介
全長 | 3,915mm |
全幅 | 1,735mm |
全高 | 1,245mm |
ホイールベース | 2,310mm |
乗車定員 | 2名 |
車重 | 1,130kg |
エンジン | 2リッター直4 DOHC(SKYACTIV-G 2.0) |
最高出力 | 116kW〈158PS〉/6000rpm |
最大トルク | 200N・m〈20.4kgf・m〉/4600rpm |
JC08モード燃費 | 15.6km/L |
RFのコンセプトは大人のオープンカー
まず1番は、ハードトップモデルもれっきとしたロードスターということである。
この記事を読むコアな車好きの方は、ハードトップは重たくピュアなスポーツカーではないのではないかと思っている方も一部にはいらっしゃるかもしれない。
しかし、このロードスターRFは他のロードスターファミリーと変わらない運転する楽しさを兼ね備えている。
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ソフトトップモデルとのコンセプトとの違いは快適性
ロードスターRFでは、大人が気軽に使える快適性が備わっていることだ。それでありながら、ドライバーが運転する楽しさを全くスポイルしていない点が素晴らしいのだ。
以下ではロードスターRFがもたらす快適性について、3つのポイントにわけて解説する。
1.ハードトップがもたらす恩恵
RFのハードトップは、幌モデルとは異なり電動で開閉が可能となる。このため、ドライバーとしては開閉する手間がなくなるのだ。センターコンソールにある電動スイッチだけで約13秒で開閉が可能になる。さらに高速運転などは、幌のモデルに比べて静かだ。幌モデルでは高速道路を運転すると風切り音やロードノイズが大きく入ってきて、助手席の人と会話をする際に少し声を張る必要があるが、RFではロードノイズは入ってくるものの、風切り音は低減され、高速道路を運転中であっても、助手席の人との会話で声を張る必要はない。
2.2Lエンジンがもたらす加速性能
幌かハードトップの違い以上にドライバーが体感するのは、エンジンパワーかもしれない。
RFの2リッターエンジンは約180馬力を発生させ、最大トルクも20キロを超えている。
このため、発進時の加速時から幌に対して大きなアドバンテージを感じる。車体をグイグイと加速させるのだ。特にクラッチ越しにエンジンパワーを感じやすいマニュアルでは体感差が大きい。
これは、幌モデルからの重量増を上回るパワーアップで、アクセルを踏んだ際の加速は幌モデルよりも明らかにRFのほうが速い。
またこのようなコンセプトの違いから、RFのユニークな点は以下が挙げられる。
タルガ風に開閉される
RFのオープン状態は、911タルガなどで有名なタルガトップの様な開口部となる。これによるメリットは適度な開放感だ。オープンカーは風の気持ちよさと開放感が売りだが、外から丸見えになってしまうことだ。RFはオープンカー特有の開放感は残しながらも、オープン状態であっても車体後方や車体斜め後方からは隠れている。自分たちのプライベートな領域を残しながらも、開放感を味わえるのはRFの大きなメリットであろう。
特に女性を乗せてオープンにする場合は、このプライベート感は好評ではないかとおもう。
もちろん、ハードトップをオープンにすると、後頭部のガラスパネルが下がるために、車内の空気は後ろへと抜けていくので、風の巻き込みも少ない。
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実際試乗して感じたロードスターRFとロードスターの違いは
ロードスターRFの運転はとても楽しい。幌モデルのロードスターには無い楽しさがあるからだ。
それは、トルクフルなエンジンを活かした走りが出来ることだ。
さらに、重量増の弊害も最小限に抑えられており、ロードスターのコンセプトである人馬一体の走りが楽しめることだ。
では具体的にはどんな楽しさがあるのかを、利用シーンごとにレビューしていきたい。
ワインディング編
2Lエンジンの恩恵
2Lエンジンの恩恵を1番感じやすいのはワインディングだ。ロードスターを購入検討される方は程度の差はあれど、峠道などのワインディングをドライブするのが好きな方が多いはずだ。
幌のモデルだとどうしても、登り坂でパワー不足を感じてしまうことがある。もちろん幌の1.5Lのエンジンであっても、丁寧なシフトチェンジを心がけて高回転をキープしながら運転をすればパワー不足に感じる場面は少ない。しかしながら、ゆっくりとした落ち着いた気分で風を楽しみながら運転している際に、ずっと高回転を維持するのはいささか神経を使う。
しかし、このRFの2Lエンジンは低回転から十分なトルクがあるために、シフト選択に気を使わずとも、ワインディングの登り坂をグイグイと登っていけるのが魅力だ。
重量が重くなったことによるメリットは
車重が重くなったことによるメリットは、乗り心地のアップだ。
約100キロ重たいため、車が地面に物理的に押し付けられている。このため、乗り心地にしっとりとした感覚があり、セダンほどではないが、現代の車としては驚異的に軽い約1100キロの車重で十分な乗り心地がある。これは高速道路などで長距離移動をする際は、疲労感の軽減に繋がるのではないかとおもう。例えば都内から箱根にドライブに行くまでの道中が楽になり、その分箱根のドライブに集中出来るのではないだろうか。
重量が重たくなったことによるデメリットは
もちろん車重増のデメリットもある。やはりベースモデルの約1トンという車重と、幌による低重心なハンドリングというのは、このRFになると少し減ってしまっている。
しかし、冒頭でRFも立派なロードスターファミリーの一員であると述べたのは、100キロの重量増、そしてハードトップ化による重心高のアップの弊害を見事にサスペンションとタイヤ選択で軽減していることだ。
ハードトップのモデルは、そのグレードであっても17インチのS001を装着している。このタイヤ選択はとても良い。なぜなら、幌の16インチに対して、低扁平化することによる、ハンドルを切ってからの車両の応答性が向上しているからだ。さらに幌はタイヤ銘柄がアドバンスポーツのV105が装着されているが、S001のほうがサイドウォールが硬いために、ステアリングレスポンスが向上するのだ。
また、サスペンションも幌に対して少し引き締めたことで、ロールを減らしドライバーが車を操る楽しさというのを出来る限り残していることだ。
つまりRFになっても、歴代ロードスターが標榜する人馬一体の感覚というのが、しっかりと継承されているのが魅力だ。
日常使い編
2Lエンジンの恩恵
2L化のメリットを感じられる場面は日常の中でも沢山ある。土日にたまに走れるワインディングだけではないのだ。
それは発進時、マニュアルモデルの発進がとても楽なのだ。発進時のような超低回転域ではベース排気量のサイズが、トルクに直結するため、2Lエンジンが積まれたRFはストップアンドゴーが多い街乗りや通勤路などで、運転が楽なのだ。
もちろん運転を楽しむためのロードスターであるが、こういった普段遣いが苦にならないメリットはとても大きい、まさに生活に寄り添ったオープンカーといえるだろう。
重量が重くなったことによるメリットは
車内が静かなことが挙げられる。普段遣いしやすい車は運転スイッチがオンではなくても、ノンストレスで運転できるかという点が重要になってくる。
ここでハードトップがいきてくる。ゆっくりまったり運転したいときに、外の風切り音などで、お気に入りの音楽が邪魔されにくい。ただし幌モデルよりもグリップが高いS001を採用しているからか、後輪タイヤからのロードノイズの侵入が気になるが、幌モデルよりも快適な移動が出来る。
重量が重たくなったことによるデメリットは
交差点やちょっとした車線変更といった日常的な運転の中で得られる楽しさが、少し減ってしまうところがある。車の動力性能の3%も使われないような局面でも圧倒的な軽さ故にドライビングが楽しめる幌モデルと比べてしまうと、すこし軽さ故に味わえる楽しさがスポイルされてしまっている点は否定できない。しかしながら、現代で1100キロが生み出す軽快感は、幌のロードスターと比べない限り十分に楽しいといえるハンドリングだろう。
NDロードスターを欲しい方は多いのではないだろうか。 しかしながら、NDロードスターには様々なグレードが有り、グレードによって内外装の変化は勿論のこと、ドライビングフィールや機能性も異なってくる。 そのため、自分にとって最適な[…]
まとめ
ロードスターRFをオススメしたいのは、車に対して大人の質感を求めながらも、若かりし頃に楽しんだドライビングプレジャーが忘れられない方にオススメしたい一台だ。
この車は先述の通り、休みの日のお出かけ先で、十分に運転を楽しめる。”運転”が目的のドライブにもうってつけのハンドリングだ。
それでありながら、RFは幌のロードスターでは難しい、大人の我儘を満たしてくれる。
長距離運転も、普段遣いでも、静かで楽チンなのだ。まるで欧州車のスポーツカーのような快適性と、国産スポーツカー独特の車を能動的にドライビングしていく楽しさを両立した稀有なモデルと言えるだろう。
もちろん、全ての両立は不可能だ。どうしても幌に勝る部分も劣る部分もある。しかし、ここから先は完全に好みの差と言えるだろう。
ここまで記事を読んでいただいた車にこだわりがある方には、是非納得した車選びをして欲しい。
そのために、是非ディーラーで試乗をして自分の感覚で比べて欲しい。また、ディーラーでの試乗では、試せることも、時間も短いと感じる方は、レンタカーがないかチェックして欲しい。
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