FK8型シビックタイプRは、ホンダが誇る高性能モデルである。この車は2015年から販売されており、そのバックボーンには非凡な技術と情熱が詰まっている。何より注目すべきは、その誕生の背景に「ニュルブルクリンク」と呼ばれる世界で最も過酷なサーキットでの最速タイムを目指すというミッションがあることである。
シビックのベースモデルは多くの人々に愛されているが、FK8型はそのスポーツグレードとして一線を画す存在である。極限の条件で走り抜けるために磨き上げられたその性能は、ただのスポーツカーとは一線を画する。
では、このFK8型シビックタイプRは一体誰におすすめなのか。この記事ではFK8型の魅力を深堀りしていきたいとおもう。
FK8型シビックタイプRの魅力
FK8型シビックタイプRは、過去に何度も「ニュルブルクリンク」での最速タイムを目指し、その名を轟かせた一台である。一時期はルノーのメガーヌRSと熾烈なバトルを繰り広げ、その座を譲ってしまったものの、侮ることなかれ。この車の真骨頂はそのエンジン性能とサスペンションである。
エンジン:K20Cの圧倒的なパワーとレスポンス
まず目を引くのは、このFK8型に搭載されているK20Cエンジンである。
このエンジンは、EP3やFD2に搭載されていたK20Aをベースに、ターボチューニングが施されたものである。
出力は320馬力と、FFマシンとしては非凡な数字を誇る。しかしこのエンジンの真価は、単に高出力であるだけではない。「エンジン屋」の名に恥じないよう、吸気レイアウトや排気レイアウトに至るまで、レスポンスの良さにこだわった設計がされている。
例えばターボは低フリクションを優先して設計され、過給圧を適切に制御するために電動ウエストゲートが採用されている。さらに、燃焼効率をあげるために、多段噴射インジェクターを用いた直噴システムが採用されているのだ。もちろんHONDAエンジンの代名詞ともいえるVTECも搭載されている。
サスペンション:高度な技術が生むコーナリング性能
サスペンションについても特筆すべき点が多い。採用されているのはフロントがストラット、リアがマルチリンク式という構成だ。特にフロントのストラットサスペンションは普通のストラット形式ではない。
特殊な「デュアルアクシス」ストラットサスペンションを採用し、コーナリング中に発生する応力の負担箇所を2点に分散させる設計がされている。この工夫によって、キャンバー角の変化量を適切にコントロールし、強い横Gが掛かる状況でもサスペンションは上下にしっかりと動き、タイヤが均等に路面を押さえつける。
これが高いコーナリング性能と限界特性を生む要因である。
このように、FK8型シビックタイプRはエンジン性能とサスペンションの技術によって、単なる速さ以上の走行体験を提供する一台である。
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試乗レビュー:街乗り編
このFK8型シビックタイプRは見た目のスポーティさから街乗りに向かないと思われがちだが、実際には乗り心地に優れている。その理由は、サスペンションの設定が3段階に調整可能であり、街乗りでは非常に快適な乗り心地が得られるからである。余計な振動やノイズが少ないため、車内は高級車に匹敵する静粛性と快適性を有している。
燃費についても、この車はスポーツカーでありながら比較的良好な数値を示している。マニュアル車であることを考慮すれば、運転手のスキルによってさらに燃費が向上する可能性がある。
さらに、この車は元々大衆車であるシビックをベースにしているため、非常に実用的である。後部座席の広さや収納空間が充分に確保されているため、家族連れにも適している。特に、ドアが4枚あることから、チャイルドシートなども容易に設置可能である。
以上の点を考慮すると、このFK8型シビックタイプRはスポーツカーでありながら日常使いにも非常に適していると言える。そのバランスの良さは、スポーツカーが好きだが家庭の事情で手が出ないという人々にとって、非常に魅力的な選択肢となっている。
試乗レビュー:ワインディング編
HONDA伝統のVTECエンジンの魅力
FK8型シビックタイプRに搭載されているエンジンは、伝統のVTEC技術を継承しつつ、現代の要求に応える革新的な設計となっている。かつて物理的な手法でバルブタイミングを変更していたVTECだが、今回は排気側にVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)と、給排気側にVTCという連続可変バルブタイミング・コントロール機構が組み合わさっている。エンジンを広範囲によって緻密に制御することで、低回転から高回転まで最適なパフォーマンスを発揮する。
実際にワインディングロードで試乗したなかでは、トルクの太さが印象的だった。低回転域から力強いトルクがあり、それが高回転域に至るまで続く。多くの低回転寄りのエンジンでは高回転でパワーが頭打ちになることが一般的だが、このエンジンはそのような弱点が見られない。
また、レスポンスについても一言で言えば「良好」である。過去のNA時代のHonda B型エンジンほどのハイレスポンスはないものの、現代のターボエンジンに比べても十分に素早い反応を見せる。特に+Rモードに切り替えると、エンジンは5000回転からレブリミットまでスムーズにパワーを出し切る。
6速マニュアルトランスミッションとこの優れたエンジンが連動することで、シフトダウンやシフトアップが非常にスムーズに行える。以前のシビックでは回転数を維持できないと急激にスピードが落ちる場面もあったが、最新のターボユニットを搭載することでより低回転域でのトルクが確保されている。そのため、シフト操作で多少のミスがあっても、すぐにトルクが回復する。
以上の点から、このエンジンはワインディングロードでのドライビングにおいても非常に魅力的であり、高い評価を受けるに値すると感じた。
ハンドリングが魅力のFFスポーツカー
FK8のハンドリングは素晴らしいものであると感じた。FF車にありがちなハンドリングの問題点はこの車には存在しない。歴代シビックらしさもあり、非常にニュートラルステアである。車重が増加しているが、それが逆に車体の安定性や剛性を向上させ、非常に正確なライントレースが可能である。コーナリング時の安定性も優れている。
アンダーステアが一切出ない点も注目である。FF車でありがちなコーナーでのアンダー傾向は、デフの存在や前後の剛性バランス、サスペンションの設計によって解消されている。コーナーを出る際もアクセルを踏むと車体がしっかりと前に進む感触があり、余計なアンダーステアが発生せず、スポーツカーとしての資質を感じさせる。
また、純正サスペンションに関しても完成度が高かった。3段階のモード切り替えがあり、最も硬い+Rモードでも路面から跳ねることなく、しっかりと路面を捉える。特に筑波山での試乗でその性能を確認した。純正サスペンションは街乗りからサーキットまで幅広く使える優秀なセッティングだと感じた。
見た目重視でとにかく車高を下げたい方や、快適性を犠牲にしてでもサーキットのタイムをコンマ1秒でも速くしたい方でなければ、純正サスペンションで大満足できるとおもう。
FK8は誰にオススメなのか?
このFK8型シビックは、特にシビックが好きな人にとっては買って損はないと感じた。ハンドリングとコーナリング性能が高く、FF車とは思えないほどの運転の楽しさがある。また、現代の車と比較してもエンジンレスポンスは優れているので、新しい車で安心してカーライフを楽しみたい、または家族と一緒に使いつつも運転を楽しみたい人には特におすすめである。
逆に、昔のNA時代のシビックのようなエンジンレスポンスや音を求める人、またはとにかくエンジンをぶん回したいという人には、この車はあまりおすすめできないかもしれない。現代の環境規制や排気音の規制によって、昔のようなエンジンは作れなくなっている。また、エンジンパワーが大きいため、全開で走らせられる場所が限られている。
まとめ
FK8は、ホンダが現代の規制や安全基準を考慮しながらも、最大限の性能を引き出していることが確認できた。
この車の真価は、実際に乗ってみないと理解できない部分も多いと感じました。興味がある方は、おもしろレンタカーなどのサービスを活用して、実際にこの車に試乗することをおすすめする。
中古車でFK8を検討している方や、FL5と比較してみたいと考えている方も、実際に直近の2モデルを比較して、お気に入りの一台を見つけて欲しい。
車選びは自分自身との相性が重要であり、その相性を確認してから購入することで、後悔のない素晴らしいカーライフが送れると思う。
この機会に、ぜひおもしろレンタカーを活用して、楽しいカーライフを味わってほしい。