DC5の維持費は高いのか?維持費を抑えるコツについて解説

DC5

初代で設定された「Type-R」の登場により、手が届く価格帯の超高性能スポーツというイメージが定着したホンダ・インテグラ。

2001年にフルモデルチェンジを受けて2代目のDC5型へと進化した。

ボディは全体的に大きくなり、それに伴ってエンジンも排気量の大きいK20A型が搭載され、さらに強大なパワーが与えられた。

手軽に乗れる超高性能マシンというインテグラのキャラクターから、ハイスペックなスポーツ性能を思いっ切り堪能したいという気持ちがある一方で、自家用車としての維持コストも気になるのではないだろうか。

ここではDC5型インテグラTypeRの維持費について、いろいろな面から検証してみようと思う。

購入を考えている人は参考にしてみて欲しい。

ホンダ・インテグラ(DC5)TypeRの維持費はどのくらい?

DC5の年間費用の内訳

インテグラ(DC5)の年間費用についての詳細は後ほど解説するが、先に記載すると以下のようになる。

  • 車検代と自動車重量:62,330円
  • 自動車税: 34,500円
  • ガソリン代 :100,000円
  • 自動車保険料:70,000円
  • 駐車場代:10,000円
  • メンテナンス代:24,500円

    合計:約30万円


各項目を合計した金額は約30万円という結果になった。

月で換算すると2.5万円となる。これを安いと取るか高いと取るかはオーナーごとに異なると思うが、諸々の合計金額として、国産の名車に乗れる費用と考えれば、決して高くはないと考える。

また、この額は走る頻度や距離、住む地域によってかなり変わってくるので、これを参考値として各自に照らし合わせ直してみて欲しい。

それぞれの項目についてカンタンに説明していこう。

車検代と自動車重量税

車検の費用は、手続きに掛かる法定費用と、整備や点検、車検業者の代行料などの車検基本料に分かれている。

法定費用というのは自動車重量税、自賠責保険と、手続きに掛かる費用として印紙代が含まれる。

車検基本料というのは主に車検の業者に委託する際の費用で、車両が検査に通るように点検と調整、整備をおこなう費用と、車両の検査を受けるための代行料が主な内容となる。

法定費用は必ず支払わなくてはならないが、車検基本料の方はユーザー車検などで節約することは可能だ。

インテグラ(DC5)の車検に必要な費用:法定費用

  • 自動車重量税:34,200円
  • 自賠責保険料:25,830円
  • 印紙代:2,300円

    合計:62,330円

 

自賠責保険料と印紙代は普通自動車の固定金額だが、DC5はモデルイヤーの最後から16年経過しているので重量税が割高になっている。

自動車税

自動車税は年に一度、車検証に記載されている自動車の所有者に課せられる税金で、毎年5月くらいに支払い用紙が送付されてくる。

正確には、令和元年の改正法で、それまでの自動車税という名称が自動車税種別割に変更された。

インテグラ(DC5)の自動車税(種別割)

車両重量1.5t未満:34,500円/年

令和元年10/1以降に登録された車両は引き下げ対象だが、DC5は対象外なので満額となる。

ガソリン代

近年大幅な値上がりでクルマのオーナーを悩ませているのがガソリン代だ。

DC5のTypeRに搭載されるK20A型エンジンはハイオク仕様のため、その費用はさらに大きくなる。燃費はカタログ値で、10・15モード燃費が12.4km/Lとなっているのでそれを元に計算してみる。

ハイオクの価格は日々変動しているが、ここでは平均を想定した値として180円/Lで設定する。

走行距離の平均は年間1万kmとされているが、DC5はスポーツ車なので週末の稼働がメインと考え、3割ほど少なく見積もって7千㎞/年とする。

インテグラ(DC5)の年間ガソリン代

7000÷12.4×180 = 101,613円

実際の燃費はカタログ値より低く、11㎞/L台と言われているので、年間の費用はもう少し高く見ておいたほうがいいだろう。

自動車保険料

自動車を運転する際に必須となるのが損害保険。保険には加入が義務づけられている自賠責保険と、加入するかどうかは自分次第の任意保険の2種類がある。

自賠責保険は車検の費用に組み入れるので、ここでは任意保険について考察していこう。

任意保険には保険会社の設定でいろいろな商品に分かれているので、その保険料は様々だ。

基本的な、対人+対物+搭乗者を補償するパッケージがメインだが、そこに車両保険などのオプションを組み込むと料金はまた変わってくるが、ここでは基本パッケージに限定する。

また、無事故の期間が長いほど割り引かれる等級制度や、運転者の年齢による違い、そして統計的に事故が少ない車両の価格設定が低くなる制度などがあるので、保険料は実際に見積もりを依頼しないとハッキリしない。

ここではザックリと、CMでおなじみの保険会社の一般的なパッケージで考えてみよう。

インテグラ(DC5)の任意保険料

免許の色が青/年齢30代/スポーツカーの保険料:40,000〜100,000円/年

インテグラは飛ばす人が多いという設定の車種なので、ベース価格は高めとなっている。

等級的には年齢が高くなり、無事故歴が多くなれば割引率が多くなるので、乗り続ければ下がっていくだろう。

駐車場代

登録上、車庫証明が必須となっているので、駐車場の費用は維持費の計算には欠かせない。

自宅にスペースがあれば費用はゼロで済むが、都心の駅近の住まいであれば、その近辺に駐車場を借りなければならないので、その費用はけっこうな額となるだろう。

インテグラ(DC5)は普通乗用車のサイズなので、車高を落としていなければ立体駐車場も利用できる。

費用は地域でかなりの開きがあるが、ここではおおよその費用を出しておこう。

駐車場代

  • 都心:30,000円〜60,000円/月
  • 都市近郊:10,000円~20,000円/月
  • 郊外地域:3,000円〜8,000円/月

これは月の金額なので、年間で見ると最低額で36,000円、最高額では720,000円という大きな差になってしまう。

よく耳にする額としては5,000〜10,000といったところだろうか。

メンテナンス代

車両は走れば走るほどパーツが消耗し、使用限界がやってくるので、定期的な点検と部品の交換が必要。

インテグラ(DC5)は高回転の特性が支持されているエンジンを搭載しているので、その点ではエンジンや足まわり、ブレーキなどのパーツの消耗が、ファミリーカーに比べて多いと思われる。

とは言え、メーカーもその走り方を想定したパーツを装着しているので、レースをしているのでなければ、一般的なサイクルでの交換目安で問題無いだろう。

実際のに運行での消耗パーツ交換サイクルは数万㎞、あるいは数年というレベルだと思うので、仮に5年として、それを1年で割った数字を参考値として出してみよう。

インテグラ(DC5)の年間メンテナンス費用

  • エンジンオイル交換(1回/年 5Lで計算):約6,000円
  • オイルフィルター交換(オイル2回で1度の交換):500円
  • ラジエタークーラント液(2年に1回):1000円
  • ドライブシャフトブーツ(5年で1回):4000円
  • エアフィルター交換(2年で1回):2000円
  • エアコンフィルター交換(5年で1回):1000円
    +作業工賃:10,000円

    合計金額:24,500円/年

DC5はそろそろ20年が経過する車両も出てきているので、そろそろエンジン内部の点検やオーバーホールも考慮したほうがいいケースがあるかもしれないが、平均的に見て上記の項目で問題無いだろうと思われる。

作業工賃はやや多めに計算しているが、これを自分でおこなえば1万円は節約できる。

ガソリン代に換算すると1回満タンにできてお釣りが来るくらいの額なので、走るのが好きな人にはDIYを勧めたい。

競合車種の維持費と比較

インテグラ(DC5)単体では、その維持費が高いのか安いのかを判断しかねるという人もいるかと思うので、キャラクターの近いトヨタGR86の維持費を比較対象として紹介しておこう。

トヨタGR86の年間費用(維持費)

  • 車検代と自動車重量:52,730円
  • 自動車税: 30,500円
  • ガソリン代 :105,000円
  • 自動車保険料:100,000円
  • 駐車場代:10,000円
  • メンテナンス代:24,500円

    トヨタGR86の年間費用(維持費)合計:約32万円

排気量が2リッターと共通で、車重は86の方が少し重いが同じ1.5t以下の枠なので、税制上のカテゴリーは同じだが、年式が新しい分だけ自動車重量税と自動車税が安くなっている。

ガソリン代は燃費の差でGR86が0.4㎞/Lほど低いので少し高くなっている。

任意保険料は現時点での調査でGR86が高い数字となっているが、保険会社によっては同じくらいの場合もあるので何とも言えない。

メンテナンス費用は特に差は無いと考えていいだろう。

トータルではGR86の方が高くなっているが、ほぼ同じだと見て良いのではないだろうか。

これが先代のトヨタ86の場合は、年式の差が小さく、燃費や重量もほぼ同じなので、合計費用もほとんど差は無くなる。

つまりこれくらいが国産のライトウェイトスポーツの平均値と言って良いかもしれない。

DC5維持費に関する口コミ

費用のデータからはある程度の金額の感じが掴めたと思うので、目先を少し変えて「X(旧Twitter)」から、維持費に関するツイートを拾ってみたので参考にして欲しい。

信頼性が高く、故障が少ないので維持費は安い

維持費の中で、故障や消耗への部品交換費用はかなりの割合を占めてしまうので、それが少ないクルマは維持費が少なくて済む。

このツイートの他にもDC5ユーザーから「壊れない」という意見が散見されたので、信頼性が高いとみている人は一定数いるようだ。

任意保険が高くて購入を躊躇した

こちらは、購入を検討しているときに任意保険の見積もりをしてみて、その月額の高さに驚き、購入を諦めようとしているという旨のツイート。

スポーツ系の代表格とも言えるインテグラ(DC5)TypeRは走り重視の人たちに好まれ、そのぶん事故率も高くなってしまうため、どうしても保険料の設定が高くなる傾向にある。

新規加入の年齢が若い人の場合はこのツイートの例のように3万円/月というケースもあるだろう。

維持費が安いと考えていたが、カスタム費用がかなり掛かってしまった

こちらはやや特殊な例としてピックアップしたツイート。

昨今はスポーツ系の車種とは言え、街乗りメインの用途の車両にカスタムを施す人がめっきり少なくなっているのを感じるが、

こうしてカスタム心に火が点いてしまった場合、インテグラ(DC5)はパーツもそれなりに出回っているため、気がつけばかなり費用を突っ込んでしまったというケースもあるだろう。

そんな性格を自覚している人は、あらかじめその予算を見ておいた方が賢いかもしれない。

DC5の運用で維持費を抑える秘訣

比較的、維持費が高めだと思われるインテグラ(DC5)の維持費を、少しでも抑える方法を考えてみよう。

  1. 任意保険を見直す
  2. 走り方を見直す
  3. パーツの入手を考える

任意保険を見直す

維持費のうちで比較的大きな割合を占めているのが任意保険。

これを少なく抑えることができれば、年間の維持費はグッと低くすることができる。

とは言え、それなりにアクセルを開けることが楽しいクルマであるDC5を乗り回すには、保険を削ってしまうのはリスクが高い。

しかし、補償の内容を変えずに保険費用を抑える方法はある。

昨今CMでよく見かける外資系の保険会社のプランを上手く活用すれば、3割から5割の減額ができる。

ただし、何もかも満たした上で料金だけ安いというウマい話は無い。

加入の際には補償内容とサポート体制をしっかり確認して、念のため口コミで評判なども押さえておくようにしたい。

走り方を見直す

DC5の燃費性能は、同じ2リッタークラスの中ではけっして良い方とは言えない。

それは動力性能や運転の気持ちよさを重視した結果なので、好んで乗っている人は受け入れざるを得ない部分と言える。

しかし、いくらアクセルを開けるのが好きとは言っても、普通の街中の移動のときまでワイドオープンする必要は全くない。

実際は運転している時間の半分以上は街中の走行が占めているので、そこでのアクセルワークを見直すことで燃費は改善できる。

具体的には、アクセルワークでスムーズさを心がけることと、6速MTを活かして低い回転域でシフトアップをするようにすることから始めてみて欲しい。

パーツの入手を考える

初期の車両で20年以上が経過しているDC5は、そろそろ純正部品の供給の心配が始まっている時期だろう。

今の段階ではまだパーツが廃盤になっているという話はあまり聞かないが、もう5年も経つ頃にはポツポツと欠品が出始めても不思議ではない。

なのでDC5を長く乗っていこうと考えている人は、ボチボチパーツの確保に動いても良いかもしれない。

昨今は品薄になるとほぼ必ず価格が上がる傾向にあるので、そうなる前に主要パーツを確保しておきたい。

また、外装部品などをリペアする際には、中古で済ませるという方法もあり。

これも、オークションなどで買わずに物色しておくだけでも、充分備えになるハズだ。

まとめ

なんと言っても高回転までストレス無く回っていく気持ちよさが身上のインテグラ(DC5)TypeR。

どうしてもアクセルを開けたくなってしまう心情は充分共感できるが、費用の面で見たときに、無闇にスピードを上げることはリスクでしかない。

そのため、運転する際には自制心というストッパーを常にスタンバイしておき、不意のトラブルを防ぐようにする心がけが重要だと考える。

今後はこんな低価格で、メーカーが誇る高性能なエンジンを堪能できるような車種は出てくる見込みは少ないと思われるので、この維持費のデータを視野に入れて、間違いのない購入を検討してみてはどうだろう。